1回目(その4)あの東日本大震災の津波に耐え、継続使用している建物があることを知ってほしい。 東南海地震の津波にも参考になるのではないか。

テーマ1-1(その4)防災

東日本大震災で宮城県、福島県、岩手県の沿岸部に津波が甚大な被害を与え、今なお復旧工事を行っている状態である。宮城県沿岸部の石巻地区、気仙沼地区に建設したコロンブス工法を採用した建物基礎には損傷がなく、津波によって破壊された2次部材、仕上材の補修を行い継続使用している病院、工場、学校、高齢者施設、住宅がある。

なぜ建物基礎、構造部材に損傷がなかったのか?。これらの建物は軟弱な液状化地盤に建設されてた。しかも津波による浸水時間が長時間にわたっていた。その結果表層地盤はより顕著に軟弱化していると推察される。自然地盤と接する基礎コンクリートやコロンブス工法の特徴である、軽量な人工地盤と接している部分の粘着力も低下している状態と推察している。しかし、直接基礎建物、杭基礎建物ともに不同沈下は見受けられない。

建築計画時に津波に関する設計条件の依頼はなく、それぞれ軟弱地盤対策、液状化地盤対策、交通振動対策の設計条件を求められたに過ぎなかった。今後津波対策を期待する直接基礎、杭基礎の設計条件であれば津波による建物への外力と液状化地盤対策を考慮して、基礎コンクリートと一体化した軽量人工地盤を設計することによって、建物基礎の安全性を高め、継続使用可能な建物が期待できるのではないかと考えている。

特に杭基礎の場合、杭と基礎の接続部分、杭頭部分、杭の先端と杭頭の間の損傷に対する抑制を建築基礎、杭と接続する部分、杭頭を一体化した軽量人工地盤によって、被害は抑制されていると考えている(石巻地区に実施例あり)。また、設計資料として国立研究開発法人産業技術総合研究所地質調査総合センター「活断層・古地震研究報告」を参考にされたら良いと考えている。

今後発生が予測される、東南海地震による津波浸水地区に建設する建物に参考になればと思い、巨大津波で実証した建物の紹介をした。