3回目(その1)杭基礎建物の安全は神話のままでよいのだろうか? 、大地震に対する杭基礎の耐震設計は行われていない

〇 神話その1
杭基礎建物は、杭先端の強固な地盤によって支持されているので杭の沈下はなく、建物は傾斜しない。
〇 神話その2
杭は国が認めた審査機関で評価を受けた大手企業の技術なので安全である。
しかし、杭基礎建物には多くの安全に関する課題がある。それは最近発見された。施工不良や設計ミス以外にもあるのではないか?。

〇 杭基礎建物の実態
・杭基礎の耐震設計は、2001年から義務化された(1995年の兵庫県南部地震以後)。
 内容は中小地震を対象にした短期許容応力度設計であり、大地震に対する耐震設計は義務化されていない。
 例えば東日本大震災や熊本地震による杭基礎建物の損傷など、散見した報告がある。
・大地震に対する耐震設計の義務化は、コスト増大につながり理解を得るのが難しい。
・新しく基準を作る場合、内容の研究が不十分であると言われている。
・地盤に起因する被害の全容とその要因が、地中に隠れているため耐震設計に容易に反映しにくい。
・損傷の調査改修工事に膨大なコストと時間がかかる。
・調査結果の公表が難しい場合がある(個人資産が多いため)。

〇 提 案
杭基礎建物を大地震に対する耐震設計の義務化は、社会不安にもつながりかねないので、慎重に進めなければならないと考えている。
そこで、緊急対処のアイデアとして、建物と杭の間に相互作用の異なる現象が発生する、建物基礎――杭との接合部分――杭頭部分を保護層として、それぞれの損傷対策に効果が期待できる保護改良層を設けることによって、杭先端から建物基礎間の、地盤対策――建物基礎――杭との接続部分――杭頭部分の変形対策、短期的に杭に大きな負荷が生じ損傷にいたる荷重を軽減、好ましくは入力地震動低減効果が期待できれば、杭基礎建物の安全は大幅に向上するのではないかと考えている。
このことは大型振動台実験等で、ある程度効果を証明することは可能と考えている。
このプロジェクトは、建築系ばかりではなく土木系、地盤系、地震工学系、そして法律を作る文官と技官をコーディネイトする部門によって実証することを夢見ている。