7回目 防災、建物の長寿命化、その他の課題

 建物の防災、長寿命化技術に関して、建築基準法に定めた仕様規定だけで課題を解決して、建築主に満足が得られるのだろうか?
 建築基準法に定めた規制は、何のために行われるのか。
 だれの利益につながるのか。
 建築関係の規制は何のために行われるのだろうか。
 だれが反対するのか。

 規制によって建物の性能が良くなる、しかし規制にはコストがかかるが、コスト以上に国民の社会的厚生が期待されるためだと言われている。
 社会的な厚生とは、国民が得ることができる便益、利益を指す。
 一方、国の立場からは建築のコストは関係ないが、災害や建物長寿命化に関しては厖大なコストを支払うことになり、それが国民の負担となり返ってくる。
 とにかく規制には、関係業界の反対がある。
 どちらかと言えば賛成より反対が強く、間違った規制解釈が行われることもある。
 新しい規制に関する技術開発については、評価する専門家の理解によって、歴史的に判断してよい技術であっても評価されない場面が多い。
 少なくとも狭い専門知識で判断するよりも、必要な要素技術を総合的に検討し、判断できる専門家も必要ではないか。
 日本の建築基準法に定めた規制や新しい規制を定める場合や運用、その他、このままで良いのだろうか。
 それで国民、特に建築主や国は満足なのか。

 私は疑問に感じている。
 そして微力ながら挑戦している。
 具体的には、
 〇建設地盤の造成に用いている擁壁の安全性とその背面地盤の安全性
  (受動土圧と擁壁背面土の排水)
 〇地震によって引き起こされる液状化や支持地盤の軟弱化による支持力不足対策
 〇建物構造の長寿命化(木造、鉄骨造)層間変位対策
 これらの規制や関係する技術は、このままで良いのか心配である。
 新技術は、とかく抵抗が強い。