1回目(その2)地震による防災・減災は地震動が伝播する一連で対策をすることが必要、一連とは地盤・建築基礎・建物構造部材・建築二次部材・仕上げ材を指す

テーマ1-1(その2) 防災(地震動に対する防災・減災)

【内 容】
地震動は地盤、建物基礎、建物構造部材、建築2次部材、仕上げ材へと一連に伝播される。そして、地震動は建物構造部材、建築2次部材、仕上げ材に対して揺れや振動として、それぞれ変形しつつ建築基礎から地盤へ伝播される。このことから建築物の防災、減災には地震動の回路を考慮することが重要であり「安全装置をどこの部分に設けて、建物の安全を確保するのが良いか」に着目した。

その結果、地盤と建築基礎間に安全装置を設け、入力地震動をある程度抑制し、また建物の揺れや振動エネルギーを安全装置で吸収し、地盤の変形による建築基礎を損傷させないで、損傷なく伝達する方法はないかと考えた。そこで、発泡樹脂の緩衝性能に優れ地盤材として性能が明確で実績がある発泡ポリスチレン(EPS)と、機能を付与した成型板を用い地盤と建築基礎の間に人工地盤を構築するアイデアで、発泡樹脂軽量材を用いた地盤改良を研究することに着手した。実施した建物は、地盤、建築基礎間においては大地震に遭遇しても無被害であることが、東日本大震災やその他の大きな地震の被害が多かった地区で実証した。

一方、建物構造部材、建築2次部材、仕上げ材の回路に対しても損傷対策技術のニーズが高まってきた。この回路に関する対策技術は、新築建物ばかりでなく既存建物の補強工事に適用し、多くのストック建築物の耐震補強技術を視野に研究開発を行った。その結果、鉄骨造建物を対象とする「制振部材マゼラン」を開発した。次に、木造建物を対象に木材を損傷させない「木造用制振部材マゼラン」と「接合金物コンパス」を開発した。

RC造は、安全装置の人工地盤で対処できることが確認できたので、今後はRC造向け安全装置の人工地盤を提案したい。

地震動に対する防災・減災は多くの課題が存在しており、今後は地震動の伝搬回路を考慮する、コロンブス、マゼラン、コンパスを課題に対処した性能設計を行いたい。マゼラン、コンパスは建物の耐震要素と共生しつつ補強する技術であり、構造部材、建築2次部材の損傷なく耐震機能を満足することを考慮して開発した。